堅豆腐を手にする宮脇代表理事。油揚げやがんもどきも冷蔵でドイツに輸出する

堅豆腐を手にする宮脇代表理事。油揚げやがんもどきも冷蔵でドイツに輸出する

富山県 砺波・南砺・五箇山 特産

五箇山の堅豆腐 ドイツへ 欧州の菜食主義者向けに輸出

北日本新聞(2021年7月6日)

 富山県南砺市下梨(平)の農事組合法人五箇山特産組合(ねこのくら工房)は、五箇山特産の堅豆腐や油揚げ、がんもどきなど自社製品をドイツへ輸出する。7日に同所の製造所から冷蔵で第1弾を発送することにしており、宮脇廣代表理事(63)は「世界で和食文化や南砺の味を知ってもらうきっかけになれば」と話している。

 ねこのくら工房では3、4年前からがんもどきなどを輸出できないか模索し、県がブース出展した香港での商談会などに参加してきた。しかし、輸出の手続きが煩雑なことなどから、なかなか実現には至らなかった。

 宮脇代表理事は、日本政策金融公庫が貿易商社と提携し、輸出の手続きから販売までを一環して支援する「トライアル輸出支援」事業を行っていることを知り、3月に同公庫に相談。貿易商社と個別商談し、ドイツへ輸出する話がまとまった。

 欧米ではベジタリアンやヴィーガンといった菜食主義者が急増。特にドイツでは800万人強が菜食主義者で人口の1割を占めている。そんな中、野菜を使った和食や食材が注目を浴びている。大豆製品は人気が高く、十分商機があるという。

 輸出第1弾となる今回は、冷蔵で堅豆腐や油揚げ、がんもどきなど5品種60個を送る。航空便を使い約3日でドイツに到着。すぐに現地の日本食を売る店のほか、レストランにも販売される予定だ。

 工房で使う大豆は南砺産か県内産。豆腐は合成添加物不使用で、にがりは能登産を使っている。食品の安全面からも海外ニーズがあると見ており、宮脇代表理事は「苦しいコロナ禍だが、いろいろ挑戦することが大事。ドイツ輸出が軌道に乗れば、EUの他の国にも売り込みたい」と意欲を見せている。

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