県産ナシ「加賀しずく」の初競りが24日、金沢市中央卸売市場で行われ、初日としては過去最多の600箱3トンが次々と競り落とされた。最高等級「プレミアム」の1箱(6個入り、5キロ)は3年連続で過去最高タイの10万円で落札。今年は昨年の2倍以上となる約25トンの出荷を見込んでおり、生産者は市場デビュー5年目の飛躍に期待を膨らませた。
初競りには、13度以上の糖度や優れた品質、外観などの基準を満たしたプレミアム品計12箱が登場し、2~8個入りの箱が次々に競り落とされた。きり箱入りの1箱を、青果店「堀他」(駅西本町2丁目)が4年連続で競り落とすと、仲買人らから拍手が起こった。2017、19、20年に並ぶ最高値だった。
県が16年かけて開発した加賀しずくは、上品な甘さと滑らかな食感が特長。1個当たりの重さは平均約600グラムと他品種のナシと比べ約1・5倍となる。JA全農いしかわによると、今年は春先の霜やあられで生育が心配されたが、日照時間が長く、高糖度に仕上がったという。
加えて、今年は金沢、白山、加賀市の農家約100軒が9月中旬まで、昨年の約12トンを大幅に超える約25トンの出荷を見込んでいる。加賀しずく研究会の瀬戸聖和会長によると、栽培技術の向上で、実付きが増えたことが大きな要因という。加賀しずくは24日から県内の店頭に並んだ。