新型コロナウイルスの感染拡大を受け休止していた県水墨美術館の企画展「生誕120年 篁牛人(たかむらぎゅうじん)展 昭和水墨画壇の鬼才」が13日再開し、後期展が始まった。ふすま絵の大作や彩色画の代表作が加わり、待ちわびた美術ファンがじっくりと鑑賞した。10月2日まで。
同展は富山市の画家、篁牛人(1901~84年)の画業をたどる。展示作品の一部が入れ替わり、2面で幅4メートルを超えるふすま絵「竹林虎(ちくりんこ)」をはじめ、彩色画の代表作「観世音」「鍾馗(しょうき)」などがお目見えした。墨を麻紙に擦り込むようにして描く渇筆(かっぴつ)技法を駆使した「天台山豊干禅師(てんだいさんぶかんぜんじ)」「西王母(せいおうぼ)と小鳥」など、前期からの作品を含めて約50点を展示する。
牛人の画風が好きだという高岡市早川の佐野保さん(60)は「再開を待っていた。見応えがあり、素晴らしい」と話した。
新型コロナ対策として、体温測定やアルコール消毒の徹底に加え、入室人数を休止前の60人から50人に減らし、密を防ぐため入退室時の導線を分けた。館内の混雑状況は同館のツイッターやフェイスブックで発信している。
同展は県水墨美術館と北日本放送、北日本新聞社でつくる実行委員会と県、日本経済新聞社主催。