南砺市福光地域出身の政治家、松村謙三が所有していた東洋ランを管理するための温室が、同市柴田屋(福野)の市園芸植物園に完成した。30日、都内在住の親族から140鉢が同園に搬入された。
松村は生前、東洋ランの栽培を趣味にし、東京の自宅や熱川温泉(静岡)の別荘に多いときで約3千鉢を育てていた。松村の死後、親族が自宅で管理していたが、没後50年のことし、南砺市と顕彰会の記念事業の一環で、古里に寄贈されることになった。
完成した温室はガラス製で幅2・8メートル、奥行き7・8メートル、高さ2・9メートル。搬入されたのは中国ランが中心で、早ければ来年1月に開花する。
松村と親交があったことで知られる中国の周恩来(しゅうおんらい)首相から譲り受けた貴重なランも含まれる。
大西毅彦園長は「松村の東洋ランは市の財産。しっかりと管理したい」と話した。
今後は同園が市内の東洋ラン愛好家でつくる「愛蘭(あいらん)会」(百島(ひゃくしま)英祐会長)と共に管理する。一般公開の時期は未定。