新型コロナ対応のまん延防止等重点措置が27日、石川県全域に適用された。飲食店への時短営業要請が始まり、初めて対象地域となった能登や加賀でも多くの店が営業時間の短縮を知らせる張り紙を出し、休業に踏み切る店が見られた。一方、これまで支援金は受け取れなかった店からは「もらえるだけ助かる」との声も漏れた。
輪島市河井町の飲み屋街「観音町」では、複数のスナックの入り口に2月20日までの休業を知らせる張り紙が見られた。ママの一人は「お客さんも来ない中、店を開けても経費がかかるだけ。休んで協力金もらった方がまし」と話した。
「金沢だけでなく、小松でも客足が減っていた。県内全域に適用されてありがたい」。27日から臨時休業を決めた「Bar 橘」(小松市大和町)の橘勇樹さん(34)はこう話した。
石川への重点措置はこれまで、昨年の5、6月と8、9月に適用されたが、対象地域となったのは金沢市だけだった。
27日から時短営業を行う野々市市住吉町の「焼肉 びーとん」の山本圭吾店長(41)は「感染者が100人を超えたころから一気に暇になった。市の支援金も合わせると3万円近くもらえるのは助かる」と話した。
県は期間中、感染対策の第三者認証を取得した飲食店で午後9時までの営業を要請し、酒類提供は同8時まで可能とする。要請に応じた店舗には協力金が支払われる。
●茶屋街ひっそり
重点措置が適用された27日、ひがし茶屋街や兼六園などの観光地は人出が少なく、閑散とした。一方、金沢市内の百貨店では客足はあまり減らなかった。