●4月オープン
小松市の山間部にある西俣キャンプ場で4月、地元の地域おこし団体がカフェを開設する。美しい自然や空気のおいしさで誘客してきた西俣の地の新たな名物として、町内の湧き水を使ったコーヒーを提供する。管理棟内で軽食も楽しめるようにして、キャンプ場利用者や住民、町を訪れる人が立ち寄れる拠点とする。
カフェは、市の委託を受けてキャンプ場を管理運営する西俣町の地域おこし団体「西俣創造の森振興会」が運営する。
実際の運営業務は、調理師資格を持つメンバーの山本美千恵さん(72)=吉竹町=が担当する。管理棟にあるキッチンを備えた広さ約40平方メートルの休憩スペースを使い、町内の湧き水でいれたコーヒーや紅茶、うどん、カレーなどを用意する計画である。
振興会によると、1999年4月のキャンプ場オープン後しばらく、休憩スペースで住民がうどんやコーヒーなどを販売していた。しかし住民の高齢化もあって数年で終了し、使われない状態が続いていた。4年前からは、振興会の月1回の会議で活用する程度だった。
山本さんが市内の介護施設を退職し、4月からキャンプ場の受け付け職員となることを機に、会長の北光弘さん(65)がカフェ開設を持ち掛けた。
カフェは4月1日以降、山本さんが出勤する週3~4日の午前10時~午後4時に営業する。
●野菜販売も計画
海沿いの小松市安宅町出身で、27年前に山間部の西俣へ嫁いだ山本さんは、豊かな自然が広がる魅力を強調し「たくさんの人が立ち寄る場をつくり、コーヒーを飲み景色を楽しんでほしい」と語った。
キャンプ場は毎年4~11月に営業し、2019年は5733人が利用した。コロナ下の20、21年はいずれも約3千人だった。北会長はカフェによる集客を期待して、住民が育てた野菜の販売も考えており、「いい施設があるのに眠らせておくのはもったいない。地域活性化にもなればうれしい」と話した。