「棟方志功記念館 愛染苑(あいぜんえん)」の開館40周年を祝う企画展「愛染苑、40年。~志功と俊彦の物語~」が29日、南砺市立福光美術館で開幕した。板画家の棟方と元福光町図書館長の故石崎俊彦さん(1912~2003年)の交流をテーマとした。5月30日まで。
石崎さんは、棟方が戦時中福光地域に疎開してきたころ知り合いとなった。文化芸術面に強い興味を持っていた石崎さんは棟方と徐々に信頼関係を築き、棟方は手先の器用な石崎さんに刷りや編集の仕事を任せるようになった。
棟方が帰京後も交流は続き、石崎さんは晩年、所有していた棟方作品と土地を旧福光町に寄贈。同地に「棟方志功記念館 愛染苑」が建てられ、1982年に開館した。
企画展では、今回初公開となる棟方の福光時代の住居だった「鯉雨画斎(りうがさい)」のトイレにあった仕切り扉を展示。扉の両面にそれぞれ菩薩が描かれている。また、棟方と石崎さんが手掛けた板画集や、石崎さんが描いた棟方や棟方の長女の肖像画など87点が並ぶ。
開会式で、愛染苑の運営に長年尽力した辻澤功さんと湯浅直之さんに感謝状が贈られた。田中幹夫市長や蓮沼晃一市議会議長、片岸昭二館長、有沢北日本新聞砺波支社長らがテープカットした。北日本新聞社共催。