旧制富山高校(現富山大)の創立に尽力した馬場はるの没後51周年に合わせた企画展が19日、富山市東岩瀬町の国登録有形文化財「旧馬場家住宅」で始まった。着物や小鼓といった遺品10点余りを初めて展示。はるに関するセミナーもあり、参加者は人柄や功績を振り返った。21日まで。
はるは1886年、泊町(現朝日町)に生まれ、回船問屋を営む馬場家に嫁いだ。30代で夫と死別した後、旧制富山高校の創設に貢献。ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の蔵書を同校に寄付し、ヘルン文庫を設けた。1971年5月20日に85歳で亡くなった。
企画展は没後50周年の昨年、開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で断念。はるの孫、馬場是久(のりひさ)さん(85)が今年改めて開くことにした。妻の節子さんのほか、はるを題材に著書を刊行した郷土史家の大村歌子さん、大村さんの知人の村上れい子さんと協力して展示内容を決めた。
はるが50代のころに着ていた青灰色の訪問着や愛用していた小鼓などが並ぶ。小学生だった是久さんに宛てた肉筆のはがきなどもあり、訪れた人は興味深そうに眺めていた。リボンアートコーディネーターでもある村上さんの作品もある。
セミナーには、15人が参加した。是久さんのあいさつに続き、大村さんがはるの生い立ちや功績などについて話した。