上田市武石地域で3日、「武石おねり秋まつり」が開かれ、大名行列を模した「おねり行列」が披露された。おねり行列は本来、7年目に1度の子檀嶺(こまゆみね)神社御柱祭に合わせて実施する。新型コロナウイルスの影響で今春の御柱祭が縮小されたため、約半年遅れの披露となった。沿道には多くの人が訪れ、勇壮な動きに拍手を送った。
住民ら約70人が武士や「やっこ」などに扮(ふん)し、市武石地域総合センターから神社までの約1キロを練り歩きながら演舞を披露。笛の音に合わせて、「やー」となぎなたを振り回した。おかめ役の男性らが紙吹雪をまくなどして、観客を盛り上げた。市内から訪れた林純一さん(74)は行列を撮影し、「初めて見たが迫力があった。地域に良い文化が残っている」と話した。
まつりは武石おねり保存会などでつくる実行委員会が主催。保存会によると、おねり行列は文政年間(1818~30年)に始まったとされる。広川岩男会長(75)は「一度やらないと地域の伝統が次に続かない。やっとおねりをすることができて良かった」と話していた。