松本市の国宝松本城周辺の「三の丸」エリアで16日、住民が主体となるにぎわい創出の試みが始まった。城北側の空き地には小規模店や木製デッキが並ぶ交流の場「タカノバ」がオープン。城の南外堀跡(復元予定)に沿う「外堀大通り」では農産物を扱う「三のマルシェ」が開かれた。
同エリア内では昨年3月、地域を緩やかに区切った10の「界隈(かいわい)」ごとに、まちづくりビジョンを作成。本年度と来年度をビジョンに沿った催しやまちづくりを実行、検証する期間と位置付け、住民の取り組みを市が後押ししている。
タカノバは400平方メートル弱のガソリンスタンド跡地にコンテナハウスやキッチンカーが並び、飲食やクラフト品の店が出店。随時新たな催しや出店を企画する予定だ。この日はデッキで太鼓やダンスの発表、松本にまつわるクイズがあり、集まった人は敷地を象徴するケヤキの木陰で涼みつつ、会話したりビールを味わったり。にぎやかな雰囲気に松本城を訪れた観光客も引き寄せられていた。
マルシェは外堀大通りの拡幅が完了したことを受けて企画。イベント開催を想定した広い歩道を活用した初めての催しとなり、果物や野菜、クラフト品、電動カート体験などの6ブースが並んだ。
タカノバのプロジェクトの副代表古田健司さん(71)は「観光客に加え地元の人も集まる場にしたい」、マルシェの副座長上原秀さん(46)は「毎回課題を確かめつつ、企画を続けていく」と話した。
タカノバは常設。マルシェは17日午前10時~午後4時にも開く。