いくつもの階段状になっている河岸段丘を案内する佐藤信之さん。雪の下には広大な農地が広がっている=津南町

いくつもの階段状になっている河岸段丘を案内する佐藤信之さん。雪の下には広大な農地が広がっている=津南町

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苗場山麓ジオパーク(津南町) 地形の魅力に気付いて

新潟日報(2015年1月14日)

 「段丘の形は冬の方がよく見えるんですよ」。津南町職員で苗場山麓ジオパーク振興協議会事務局の佐藤信之さん(35)は、スキー場「マウンテンパーク津南」から一望できる河岸段丘を指した。

 河岸段丘は町を貫く中津川が約40万年にわたって大地を削りながら形作られた。特に右岸では何段もの階段状に重なっている。

 津南町と長野県栄村は昨年末、合同で日本ジオパークの認定を受けた。中津川の浸食や苗場山の火山活動が作り上げた大地には、景観以外にも縄文時代の火焔(えん)型土器が出土した沖ノ原遺跡や、明治時代に石を組んで作り上げた結東(けっとう)の石垣田など、自然や歴史、文化を紹介する計57カ所のジオサイトが指定されている。

 佐藤さんがとりわけ魅力を感じるのは地元に息づく縄文文化だ。「津南では今も木の実や山菜、クマなどを食べる文化があり、縄文の暮らしが残っている」と語る。

 勤務先で、縄文の暮らしや農業などを体験できる施設「なじょもん」は、ジオパークの案内所的な役割も担う。敷地内に再現した竪穴式住居に入った東京都の喫茶店店長、斉藤隆さん(54)は「そんなに寒くない。昔の人はこうやって暮らしていたんだね」と感心していた。

 佐藤さんのお気に入りの一つは山伏山の「風穴(ふうけつ)」と呼ばれる洞穴。「冬は行けないが、5、6月には雪が残っている。いろいろと回って、珍しい地形や文化が残る津南の魅力に気付いてほしい」

 問い合わせは振興協議会事務局、025(765)1600(平日午前9時~午後5時)。

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