古い建物を生かしたまちづくりを目指して昨年12月に発足したNPO法人「長野門前創造会議」(長野市)が、金沢市のNPO法人と共同で、まち歩きに関する情報を盛り込んだ冊子「まちるん」を2月上旬に発行する。今春の北陸新幹線(長野経由)金沢延伸開業や、善光寺御開帳に合わせ、長野市や金沢市などで配る計画。双方のまちの魅力をアピールする狙いだ。
「長野門前創造会議」のメンバーは、不動産業などを手掛ける寺久保尚哉さん(49)=長野市箱清水=のほか、デザイナーら約10人。金沢市で会社員として働いた経験を持つ寺久保さんが昨年、古い街並みが残る金沢市と長野市が協力してまちづくりをできないかと発案。知人が参加する金沢市のNPO法人「金沢観光創造会議」に持ち掛けた。
冊子は「長野×金沢 リノベトラベル」と題し、古民家などの建物を再利用している長野市と金沢市の24施設ずつの計48施設を紹介。両市のカフェや雑貨店をはじめ、長野市の建築家や編集者が集うオフィス、金沢市にある陶芸家らが運営しているギャラリーなども取り上げている。B5判、1万5千部刷り、長野市と金沢市のホテル、公共施設のほか、東京都内にも置く予定だ。
取材や編集を手掛けた木下光三さん(37)=長野市吉田=は「住民が手作りでやっている面白さに触れることができる」。寺久保さんは「掲載した店舗数が多いので、次回来る時のためにとっておいたり、友達にあげたりして長く使ってほしい」と話す。
長野門前創造会議は2月11日に長野市内で、長野と金沢の連携を深めようと、掲載店舗の代表者らを集めて交流会を開く。延伸や御開帳を踏まえたまちづくりについて意見交換し、冊子の続編につなげたいという。