長野市のJR長野駅に7日全面開業した新駅ビル「MIDORI長野」は、隣接する既存駅ビルと合わせて食料品や地元特産品などの計67店が新たに営業を始めた。多くの店舗が記念セールや試食品を提供するなどして、店内のあちこちに人だかりや行列ができた。北陸新幹線(長野経由)の金沢延伸を目前に控えた長野駅前はこの日、新駅ビルと商業ビル「ウエストプラザ長野」が歩行者専用デッキで結ばれ、買い物客や観光客らが行き交った。
文化学園長野高校(長野市)1年の大桃彩花さん(16)=長野市川中島町原=は高校の友人2人と電車で新駅ビルを訪れた。「私たちがよく通っていた長野駅ビルとは雰囲気が全く違う。東京のショッピングビルとまではいかないけれど、とても都会っぽい」と話し、カフェの前に立ち止まってメニューを眺めていた。
須坂市内から訪れた無職男性(64)は「いろんな店があって楽しい。特に、長野名物のお土産の売り場が1カ所に集まっているのがいいですね」。長野駅近くに住む会社員渋谷直樹さん(28)は妻、9カ月の長男と一緒に徒歩で訪れ、午前10時の開店前にできた行列に並んだ。酒店や土産店などを回り「こんなにお店があるなんて思ってもみなかった」と驚いた様子だった。
長野市稲里町田牧の中沢操さん(74)は「おいしいものを見つけたい」と近くに住む娘に車で連れてきてもらった。一通り買い物を済ませたところで施設内の椅子に座って一休み。「すごい都会的なものができたもんだねえ。ただ、年寄りにとっては近代的すぎてちょっと戸惑います」と付け加えた。
開通した歩行者専用デッキを歩き、ウエストプラザ長野から新駅ビルに向かった長野市内の30代男性は、駅前広場などを見下ろしながら、「駅がより近代的になって好印象です」と話していた。