昨年は林道への土砂崩れで開園できなかった長野市鬼無里の奥裾花自然園が2日、2年ぶりに開園した。今年4月にも林道への土砂崩れなどがあり、同月25日の開園予定が延期になっていた。待ちわびた観光客らが、園内にあるミズバショウの大群落を楽しんだ。
近くの奥裾花社で開いた安全祈願祭には地元関係者30人余が参加。鬼無里観光振興会長の伊藤宗正さん(59)は「昨年、園に入れなかったのは、地元として寂しい思いがあった。この日を迎え、本当にうれしい」とあいさつした。
標高1200メートル余の自然園の遊歩道にはまだ雪が残るが、訪れた人たちは、雪解け水が流れる湿地に顔を出したミズバショウにカメラを向けていた。園内には約81万株のミズバショウが密生し、今月中旬に見頃を迎えるという。さいたま市から訪れた北村八千代さん(47)は「自分の休日に開園が間に合うか心配だったが、雪と桜とミズバショウが一緒に見られて良かった。また来たい」と喜んでいた。
自然園に通じる唯一の林道大川線で昨年3月に土砂崩落が確認され、不通になった。さらに今年4月にも土砂崩落や地滑りが発生し、県と市が復旧作業を進め、この日から自然園まで通行できるようになった。