7月26日から十日町市と津南町で開催される「大地の芸術祭」に訪れる観光客を、隣の南魚沼市エリアにも呼び込もうと、同市内の飲食店や宿泊施設などが関連企画やPRに乗り出している。同市商工観光課は「集客力のある大イベント。周辺自治体としても協力し、ビジネスチャンスとしたい」と意欲的だ。
芸術祭は3年に1回行われる野外イベントで、ことしで6回目。回を追うごとに国内外からの来訪者が増え、12年は49万人(前回09年比11万人増)が訪れた。
南魚沼市商工観光課によると、芸術祭に関連して本格的な誘客に取り組むのは今回が初めてだ。これは、湯沢町での前回開催時の"成功例"に触発された格好だ。湯沢町では前回から、町内で芸術祭PRに努めるなどし、期間中(12年7~9月)の温泉宿泊客を増やした。関係者によると、開催していない年に比べると1万人ほど多かったという。
そもそも南魚沼市・湯沢町エリアは十日町・津南町エリアとはほくほく線や国道などで一定のアクセスが整っている。南魚沼市でも「近さ」をアピールしながら誘客を図る考えだ。
また、南魚沼市の58飲食店は芸術祭開催に合わせ、7月14日~10月31日、魚沼産コシヒカリを使用した「南魚沼、本気(まじ)丼」キャンペーンを実施する。「日本一のコシ産地」として、各店が工夫して600円台~3千円の大盛り丼を提供する企画だ。うち約40店舗では、芸術祭パスポートを提示すると大盛りや飲み物サービスなども受けることができる。南魚沼市などは会期中に4回、十日町駅構内で丼一覧冊子を配るなどしてPRする。
南魚沼市内でのパスポート販売箇所も拡大する。前回まではコンビニなどでしか扱っていなかったが、今回からは道の駅南魚沼や本気丼参加店の一部などでも販売する。店先には「大地の芸術祭の里」と記したのぼり旗を立て、観光地としての一体感も演出していく。
JR越後湯沢駅発着の越後交通の芸術祭観光バスが、今回からJR六日町駅にも停車する。六日町観光協会では、このバスと市内宿泊をセットにしたプランを売り出している。
南魚沼市商工観光課は「開催地の十日町・津南町エリアへの中継地として利用してもらいたい。飲食店や温泉も豊富な南魚沼市の魅力も合わせて堪能してもらえたら」と話している。