黒部峡谷の名剣温泉近くに、例年にない巨大なスノーブリッジが見られる。記録的な豪雪と度重なる雪崩が原因。今月上旬でも高さ20メートル以上で、立山・黒部アルペンルートの「雪の大谷」を超えるスケールになっている。黒部・宇奈月温泉観光局は23日、観光客らに崩壊時期を予想してもらう企画をスタートし、黒部峡谷への観光客増を狙う。
スノーブリッジは、積雪や雪崩で川を覆った大量の雪で、水が流れる部分だけ穴が開いて橋のような形になる。黒部観光旅館組合の佐々木泉組合長によると、今回のブリッジは6月に最も高い場所で30メートル以上あり、7月上旬でも20メートル以上。今シーズンの「雪の大谷」の19メートルを超えている。雪は腐葉土で隠れている。
名剣温泉は黒部峡谷鉄道の欅平駅から歩いて約15分の場所にあり、ブリッジはすぐ近くから見える。雪崩が多く「ナダレ沢」と呼ばれる地点で、標高約700メートル。毎年7月上旬、高さ10~15メートルのブリッジができるが、佐々木組合長は「ことしほど大きいものは見たことがない」と驚く。
昨冬から、黒部峡谷は記録的豪雪となった。黒部峡谷鉄道が3月中旬に調査した結果、欅平周辺の積雪は「五六豪雪」(1981年)の4メートルに迫る3メートル70センチ以上だった。例年より気温が高い日も多く、いったん解けた雪が再び凍った層が斜面にでき、雪崩が幾度も発生したとみられる。
巨大スノーブリッジを黒部峡谷観光の呼び物にしようと、観光局は崩落時期の予想を募集。「珍しい光景をトロッコに乗って見に来てもらいたい」としている。
はがきやファックスなどで受け付け。崩落時期を「10月第1週」など週単位で予想し、住所、名前、年齢、電話番号、ニックネーム(発表用)を必ず書き添える。正解者には宿泊券などの商品を贈る。8月31日締め切り。問い合わせは黒部市地域観光ギャラリー観光案内所、電話0765(57)2850。