長野市松代地区の飲食店関係者らでつくる「杏(あんず)おこわを松代名物に育てる会」は8〜12日、特産のアンズを使った新商品「杏おこわ」をPRする催し「松代De杏おこわウィーク」を、同地区で初めて開く。飲食・物産の12店舗で杏おこわを食べ歩くスタンプラリー(8日〜11月1日)のほか、料理講習会や講演会もある。10、11日に地区内で開く「第60回松代藩真田十万石まつり」に合わせた催しだ。
同地区は、約5千本のアンズの畑が広がる東条地区を中心にアンズ生産が盛ん。江戸時代前期に、伊予国(愛媛県)宇和島藩の豊姫が松代藩真田家3代藩主の幸道に嫁いだ際、持参した故郷のアンズが広まったと言われる。
同会は、これまでジャムやシロップ漬けが中心だったアンズの活用について、新たな食を開発して誘客に生かそうと昨年9月に発足。各店でアンズを、おこわに練り込んだり、シロップ漬けを載せたりして杏おこわを作り、名物として定着させる活動を進めている。
スタンプラリーには、常時杏おこわを提供する4店を含む12店が参加。条件に従って2店舗で食事すると杏おこわを贈るほか、4店分のスタンプで千円分の食事券をプレゼントする。
料理講習会は8、12日の午前10時半〜午後1時、市指定有形文化財の交流施設「寺町商家」(旧金箱家住宅)で開く。配膳の技やおもてなしの心を学び、杏おこわなどを試食する。定員各日15人で、会費1500円(食事代など)。
講演会は9日午後2〜3時、寺町商家。「松代と杏のかかわり」と題し、育てる会のアドバイザーで1級フードアナリストの中島麻希さん=長野市松代町=が話す。杏おこわの試食もある。定員50人で参加無料。
経営する飲食店で杏おこわを提供している育てる会の二本松博さん(65)=同=は、「まずは地元に知ってもらい、そこから広めていきたい。店ごとに工夫を凝らした味付けを楽しんでほしい」と話している。問い合わせは松代観光推進機構(電話026・278・3366)へ。