JR飯田線に乗って地酒を楽しむ初の「美酒電(びしゅでん)フェスタ」が20日、駒ケ根市を中心に開かれた。上伊那地方の約60人が参加し、地元の日本酒やウイスキー、ビールなどを飲みながら貸し切り列車で駒ケ根―飯田間を往復。出発前には駒ケ根駅前広場で「プチ美酒フェスタ」があり、春の陽気の中、大勢でにぎわった。
飯田線の利用促進や駅前商店街の活性化につなげようと、「駒ケ根市の鉄道100年地域活性化事業実行委員会」が企画した。駒ケ根駅前広場のテントには、ゴールデンエール(南信州ビール)、マルスウイスキー信州(本坊酒造)、信濃鶴(長生社)、ハーブの恵み(養命酒製造)などが並んだ。
実行委が駒ケ根市の赤穂高校商業科生徒と開発した駅弁「駒弁」も販売した。昨年6月に福島県白河市から移住した駒ケ根市赤穂の鈴木和長さん(33)は普段、ツアー添乗員をしている。この日は、地域の魅力を見つけて活性化にどう関われるか考えたいと客として参加。「お酒もおいしいし、電車の旅は解放感がある。毎年続けばいい」と話した。
実行委は、駒ケ根市の飯田線4駅(駒ケ根、大田切、小町屋、伊那福岡)が昨年で開業100年となったのに合わせ、市や商工・観光、まちづくり団体などが結成。鉄道に親しむ催しなどを開いてきた。