立山町瀬戸新の陶芸体験施設「陶農館」を運営する第三セクター会社「たてやま」は9日から、同館で地元の土を使った研修生2人の作品を売り出す。作陶の時間を確保し、客との接点を増やして将来の独立を後押しする。千円以下の小物に絞ることで、多くの人に「越中瀬戸焼」に親しんでもらう狙いもある。
研修生は千葉県出身の山田智子さん(37)と埼玉県出身の千田里実さん(24)。立山町の研修制度で3年間学び、現在は「たてやま」の職員として同館の運営に携わる。
独立に向けて制作技術を磨き、経営感覚を養うため販売を企画。館内に常設スペースを用意し、当面は湯飲み、箸置き、豆皿、銘々皿の4種を販売する。山田さんは「柄、形などいろいろ試したい」、千田さんは「お客さんの反応が楽しみ」と話す。
「たてやま」は昨年、陶土の採れる地元の土地を購入し、土づくりから完成まで一連の作業ができるようにした。島雅啓専務は「越中瀬戸焼の魅力を広めたい」と販売を通じた普及にも期待を込める。