クリンソウが生育する下伊那郡喬木村の九十九谷(くじゅうくたに)森林公園で10日、「くりん草まつり」が開幕した。花を管理する村民有志でつくる「くりん草愛好会」によると、暖かな気候のため生育は約1週間早く、今月初めに開花が始まった。約7千平方メートルの公園に色とりどりの約5万株のクリンソウが咲き乱れている。
クリンソウはサクラソウ科の多年草で、同村の村花。主に湿地に生育し、花茎を中心に円状に複数の段になって花を付ける。園内ではクリンソウのために沢から水が引かれ、桟橋が設けられている。公園は森林に囲まれており、せせらぎと鳥の鳴き声を聞き、紫やピンク、白、黄色のクリンソウを眺めながら散策できる。会長の賜洋子(たもうひろこ)さん(71)=喬木村阿島=は「森林浴を兼ねて花を楽しんでほしい」と話していた。
祭りは25日まで。午前9時〜午後4時半ごろまでで、村特産のイチゴや五平餅、クリンソウの苗などの販売もある。入園は無料。管理のための協力金を募っており、今年は協力金の一部を熊本地震の被災地へ寄付する予定。