御嶽山の山小屋や山麓の宿泊施設の関係者らが6月6日、木曽郡木曽町のJR木曽福島駅から同町側の黒沢口登山道6合目まで歩き、その様子をインターネットなどを通じ紹介する初めての試みをする。2014年9月の噴火災害以降、入山規制が続いており、山頂までは登ることができない。登山者が戻りきっていない中で、山麓周辺の魅力を伝える狙いだ。
発案したのは、黒沢口登山道7合目にある山小屋「行場山荘」の田ノ上陽介さん(39)。昨夏の利用者は例年の3割程度だったという。「昨年は仕方ない面もある」との思いもあるが、今年に向けては「登山だけではなく、御嶽山周辺のことを広く知ってもらい、復興につなげたい」と考えた。
そこで、知人らと相談。御嶽山登山という原点に立ち返り、御嶽山を信仰する人たちがかつて駅から歩いて山頂を目指したのと同じルートを通ることを思い付いた。
中でも、木曽町福島地区から三岳地区に抜ける合戸(あいど)峠は、町内でも知っている人があまり多くないルートだといい、この峠を越えるのがお勧め地点の一つだという。「合戸峠遥拝(ようはい)所」と書かれた石碑もあり、天気が良ければ御嶽山を見ることができ、「雰囲気があって歩くのにいい場所」だという。
今回は、趣旨に賛同した木曽町や木曽郡王滝村の関係者ら10人近くで7時間ほどかけて歩き、インターネットなどを使って紹介する予定だ。田ノ上さんは「今回の企画に限らず、一帯をアピールする題材や方法をいろいろと考えながら手を打っていきたい」と話している。