漆器工房が集まる塩尻市楢川地区の木曽平沢で、工房の作業場や庭園などを開放する初の「平沢オープンガーデン」が16日に始まる。木曽平沢が国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されて10年となるのを記念し、木曽漆器工業協同組合などでつくる記念事業実行委員会と平沢区自治協議会が企画した。2017年3月31日まで。
重伝建は歴史的な集落や町並みを保存するため、1975年に制度化され、木曽平沢は2006年に選定された。町並みを見て歩く観光客が工房の中に入ることはほとんどないといい、漆器作りの作業風景などを公開して魅力を知ってもらおうとオープンガーデンを企画した。9日時点で30軒ほどの工房が参加予定。「OPEN(公開)」「CLOSE(非公開)」と書いたプレートを軒先に掲げて、見学できるか案内する。
16日は漆器の展示即売や式典、シンポジウムなども予定している。木曽漆器職人で実行委事務局の荻村康行さん(76)は「多くの人に来てもらい、職人と交流して漆器や町の魅力を知ってほしい」と話している。