下伊那郡売木村で9日、マラソン大会「うるぎトライアルRUN」が初めて開かれた。3コースのうちフルマラソンは、村役場を発着点に八つの峠を越える厳しい設定のため、村は「日本一過酷なフルマラソン大会」とPR。4月初めに参加者募集を始めたところ1カ月半で定員に達した。3コースに計244人が出場し、村内を駆け抜けた。
コースは、ウルトラマラソンランナーとして知られる村職員重見(しげみ)高好さん(34)と、村地域おこし協力隊員の伊東和也さん(25)が監修した。
早朝からの強い雨はスタート時には小雨になり、選手たちは村民の声援を受けながら笑顔で走りだした。息子の応援に来た同村の松村佐保さん(83)は「村がにぎやかになってうれしいね」と言い、盛んに小旗を振っていた。
村民100人以上が沿道で誘導などを担い、大会を支えた。売木小中学校の児童生徒は選手のゼッケンに「最後まで頑張って走り切って」などと応援メッセージを書き、ランナーたちを激励した。
フルマラソンに出場した愛媛県伊予市の小学校教員関上知美さん(38)は以前に村を訪れたことがあり、「景色が良い売木村を走れるのがうれしい」。重見さんは「大会を通じて村民が一体になれたのではないか」と話していた。
フルマラソンのほかにハーフ(21・0975キロ)、みんな仲良くノルディックウオーキング(6キロ)もあった。