塩尻市奈良井から木曽郡南木曽町までの木曽谷の28カ所で4日、一斉に白い煙を上げる「のろし上げ」があった。2007年に南木曽町妻籠の2カ所で始まり、その後、地域の連帯を目指して続けている。よく晴れたこともあり、各地で近くの煙がよく見えたという。
同郡上松町の上松小学校校庭には、近くにある五社神社の世話人ら15人ほどが集まった。午前10時半ごろ、同神社で打ち鳴らされた太鼓を合図に、燃えた木が入ったドラム缶にドイツトウヒの枝を入れると、もくもくと煙が上がった。
同校の校庭はこの日、風が強く、煙が横に流れがちだったが、参加した吉野隆夫さん(77)は「例年はヒノキを集めているが、別の木を使った今回はいい煙になった。新年の恒例行事になってきた」と笑顔を見せた。
のろし上げは、まちづくりに取り組む団体などでつくる「木曽谷狼煙(のろし)あげ連絡会」の主催。計約330人が参加したほか、煙が上がったのを見て集まる住民の姿もあった。