信濃白ゆり温泉スタンドの開湯式。当面は手前のパイプから出る湯を自由に持ち帰ることができる

信濃白ゆり温泉スタンドの開湯式。当面は手前のパイプから出る湯を自由に持ち帰ることができる

長野県 木曽路 温泉

熱意実り温泉スタンド「開湯式」 木祖の県道沿い

信濃毎日新聞(2017年1月10日)

 木曽郡木祖村小木曽の県道奈川木祖線沿いに温泉スタンドが完成し、9日、現地で「開湯式」があった。20年ほど前に村内の業者が静岡県富士市の井戸工事会社に依頼して掘削したが、依頼した業者が倒産。湯は利用されてこなかったが、地域振興に利用しようと、地元の有志8人が昨年から工事会社に掛け合い、実現した。今後、入浴施設の設置なども目指すという。

 名称は「信濃白ゆり温泉スタンド」。泉質は単純硫黄泉で、地下約1300メートルから27度の湯を毎分41リットルずつポンプでくみ上げている。湯の所有権は工事会社にあり、屋根などスタンド周辺の整備には村から260万円の補助金を受けた。今後、料金を取って販売する予定だが、当面はPRを兼ねて無料で湯を持っていけるようにした。

 開湯式には、小木曽地区の自治会長や、地元の林野利用協同組合の組合員、村職員ら約30人が出席。参加者が見守る中で、工事会社「小櫛(おぐし)探鉱鑿(さく)泉」の社長小櫛邦敬(くにゆき)さん(44)や唐沢一寛村長がホースの先端を持ち、コインを投入すると、湯が出てきた。

 地元の集会施設に場所を移して開いた式典で、唐沢村長は「小木曽の人たちだけでなく、村民を挙げて利用していきたい」。小櫛さんも「口コミで評判が広がり、地元発展の起爆剤になればうれしい」と述べた。

 小櫛さんは取材に「これはあくまで出発点。今後、入浴施設の設置などにつなげたい」と説明。スタンドの管理などを担う地元住民の1人、笹川岩夫さん(65)は「地区の人口が減っている中で、何とか地域を盛り上げたい」と話していた。

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