上田市鹿教湯温泉で31日まで、氷で作った灯籠で一帯をライトアップする「氷灯ろう夢祈願」が開かれている。温泉街から薬師堂や県宝「文殊堂」へ向かう石段、屋根付きの五台橋(ごだいきょう)周辺を優しいろうそくの火が彩り、雪化粧した景観と相まって幻想的な雰囲気が観光客らを楽しませている。
知恵をつかさどる「文殊菩薩(ぼさつ)」や医薬をつかさどる「薬師如来」が祭られていることもあり、願い事を祈願しながら点灯してもらおうと鹿教湯温泉観光協会が毎年冬に開いている。一帯には直径25センチ、高さ20センチほどの円筒形の灯籠が約200個並び、宿泊客らが午後4時半から順にろうそくに火をともしている。
愛知県岡崎市から夫婦で湯治に訪れているという安部幸代さん(72)は、初めて点灯に参加したといい「山深くて静か。雪が降った後で雰囲気もいい」と話していた。
鹿教湯温泉交流センターでは「夢祈願氷絵馬」を1個千円で販売しており、願い事を書いて好きな氷灯籠に掲げることができる。
灯籠の点灯は無料で、誰でも参加可能。希望者は毎日午後4時半に共同浴場「文殊の湯」前に集合する。悪天候の場合は中止することもある。問い合わせは鹿教湯温泉観光協会(電話0268・44・2331)へ。