観衆が見守る中で腰を落として舞う「幸法」=15日午前2時11分

観衆が見守る中で腰を落として舞う「幸法」=15日午前2時11分

長野県 伊那路 祭り・催し

雪の夜、力強く舞う神々 阿南「新野の雪祭り」

信濃毎日新聞(2017年1月16日)

 下伊那郡阿南町新野に伝わる「新野の雪祭り」(国重要無形民俗文化財)が14日夕方から15日朝にかけて、地元の伊豆神社境内で行われた。雪祭りで五穀豊穣(ほうじょう)の吉兆とされる雪が降りしきる中、「面形(おもてがた)」と呼ばれるさまざまな面を着けた舞い手たちが夜を徹して力強く舞った。

 15日午前1時半ごろ、消防団員たちが神社境内の建物「庁屋」の壁を「ランジョウ、ランジョウ」と叫びながらたたいて神々の登場を催促。たいまつに火がともされるといよいよ芸能の始まりだ。最初に柔和な表情の面形の神様「幸法(さいほう)」が登場。呪術めいた足さばきと腰つきで舞うと、100人以上の見物客が囲んでシャッターを切った。

 午前5時前、地元の中高生が奏でる甲高い笛の音に乗って、馬形を着けた「競馬(きょうまん)」が登場。阿南高校3年の恩沢仁さん(18)、関研吾さん(18)が作り物の馬の手綱を取って現れると見物客が「よっ、色男」「いい馬だ」と口々にはやした。

 昨年7月に保存会長を継いだ勝野喜代始さん(63)は「私の子ども時分より子どもたちが参加してくれてにぎやかだ。なんとかつなげていきたい」と話していた。

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