減農薬にこだわったリンゴ栽培を続ける北安曇郡松川村の町田登さん(69)が、独自に「れら」と名付けて収穫したリンゴを原料に、ジュースを作った。甘さはやや控えめで、まろやかな口当たりが特徴。「農薬をできる限り使わないリンゴの良さが広がるきっかけになればうれしい」としている。
町田さんは、農薬を極力使わなくても病気に強いリンゴを作ろうと、さまざまな品種を40年以上、自分のリンゴ園で栽培。病気になりにくく、酸味が強めの青リンゴ「グラニースミス」の種から育った木に、何らかの品種が自然交雑してできたのが赤い実の「れら」だ。
6年ほど前に偶然収穫し、グラニースミスよりも甘みがあって食べやすいと感じたという。品種登録はしておらず、一部での販売にとどまっていた。まだ多くの人が知らない味を大勢に伝えたいと、ジュースにして販売することを思い付いた。
町田さんによると、「れら」はアイヌ語で「風」の意味。自然にちなんだ名前を付けたかったという。町田さんは「リンゴは身近な果物。だからこそ農薬に頼らず、より良いものを追求したい」と話している。
1リットル入りで、100本限定で作った。1本700円(税込み)。安曇野市穂高の喫茶兼雑貨店「あづみ野バザール若松屋」でのみ販売している。問い合わせは同店(電話090・9008・6986)へ。