諏訪地域振興局が新宿駅近くの観光案内所に開設した安全登山をPRするブース=30日

諏訪地域振興局が新宿駅近くの観光案内所に開設した安全登山をPRするブース=30日

 北アルプスを囲む長野、富山、岐阜の3県でつくる山岳遭難防止対策連絡会議は30日、山岳遭難救助隊員による安全登山を呼び掛けるセミナーを都内で開いた。都内では同日、県諏訪地域振興局も八ケ岳連峰の安全登山をPRするブースを新宿駅近くに開設。夏山シーズンを前に、信州への来訪が多い首都圏に向け、情報提供や注意喚起を強化している。

 3県の連絡会議によると、2017年に北アルプスで発生した山岳遭難は313件(うち長野県は160件)で、7〜8月が141件(同69件)と半数近くを占める。遭難件数の約3割が首都圏からの登山者という。

 セミナーには登山者ら100人余りが参加した。長野県警山岳遭難救助隊の岸本俊朗副隊長(40)は、遭難救助の事例を映像を通して紹介。「道迷いや技量不足など、入山前に気を付ければ防げた事故が多い」と事前準備の重要性を強調した。出席者からは「救助を要請するタイミングの目安は何か」「遭難者に遭遇した場合にすべきことは」といった質問が出た。

 県諏訪地域振興局は29〜30日、八ケ岳への安全登山を呼び掛けるブースをJR新宿駅近くの「中部地方インフォメーションプラザ」に初めて開設。商工観光課の小林赳寛さん(28)は「ここ数年、八ケ岳でも遭難が増えている。観光PRと切り離して考えるのではなく、一体的に注意を呼び掛けたい」と話した。

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