稽古場の構想を練る藍羽さん(左)と鈴木さん。コンテナに囲まれた部分を板張りにする

稽古場の構想を練る藍羽さん(左)と鈴木さん。コンテナに囲まれた部分を板張りにする

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和楽器、売木で存分に 移住女性2人、コンテナで稽古場造り

信濃毎日新聞(2018年11月28日)

 売木村の絵本作家鈴木愛芽(うめ)さんと村集落支援員で和楽器奏者の藍羽(あわ)さんが、コンテナを活用して村内に自宅を兼ねた和楽器の稽古場を造っている。2人は村外から移住し、定期的に和楽器教室を開いている。周囲を気にせず心置きなく楽器を演奏してもらい、村のPRにもつなげようと、来年中の完成を目指して作業に取り組んでいる。

 鈴木さんは10年余り前に愛知県から村に移り、農業の傍ら絵本作りをしている。同県の和太鼓グループで活動していた藍羽さんは、鈴木さんの勧めで4年ほど前に村へ移住。2人は現在、村文化交流センター「ぶなの木」などで村内外の人に和楽器を教えている。今回、藍羽さんの自宅を兼ねた稽古場を新しく設けようと、県道沿いの村有地を借りて作業を進めている。

 藍羽さんは「自然に感謝して奏でるという邦楽の本来の姿を感じられる」と、自然に恵まれた村で和楽器に取り組む魅力を語る。街なかでは和太鼓を存分にたたけないといった話を村外の参加者から聞くといい、鈴木さんは「ここなら思い切り演奏できる。和楽器にぴったりの環境」と話す。

 八つのコンテナで囲った空間を36畳の板張りにし、稽古場にする計画。コンテナの中には楽器を保管したり、生活スペースを設けたりする。鈴木さんは「将来は、屋上から満天の星を見上げながら演奏できるようにしたい」とイメージを膨らませる。来年9月にプレオープンし、和楽器教室を始める予定。2人は「『和楽器合宿』で利用してもらい、村の良さを知ってほしい」と意気込んでいる。

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