中川村の米沢酒造の「今錦純米吟醸」が世界的なワイン品評会「ブリュッセル国際コンクール」で最高賞を受け、「さらにおいしさを追求したい」と酒造りへの意欲を新たにしている。県産の酒米「美山錦」と県内で開発された酵母を使っており、県産の酒への高評価も喜んでいる。
同コンクールに新設された日本酒部門の純米吟醸の部で、応募132点の中から11月、最優秀の1点「トロフィー酒」に選ばれた。
受賞した酒は、袋に入れたもろみを箱に並べてゆっくり搾る伝統的な「酒槽(さかぶね)搾り」で造っている。品の良い香りや米本来のうま味が特長。洋食にも合う―と首都圏のワインバーやイタリア料理店でも扱われているという。
米沢酒造は1907(明治40)年創業で、2014年に伊那食品工業(伊那市)の子会社に。昨年、酒蔵や売店を一新した。以前からの味や村内の棚田での米作りを大事にしながら、新しい顧客を開拓しようとコンクールに応募した。常務の松下一成さん(50)は「小さい酒蔵なので量ではなく味で勝負。さらに努力していく」と話している。