県内各地の漁港で4日早朝、初競りが行われた。富山湾のきときとの魚が水揚げされ、浜は活気づいた。
■豊漁祈り三本締め 魚津
魚津市の魚津漁協(油本憲太郎組合長)は、同市村木定坊割の水産物荷さばき施設「魚津おさかなランド」で行い、競り人や仲買人の威勢のいい声が場内を飛び交った。
フクラギやヒラマサ、アジ、サバ、同漁協が「魚津寒ハギ」としてブランド化を進めるウマヅラハギなどさまざまな魚介類が並び、次々と競り落とされた。
競りに先立ち、一年の豊漁と安全を願うセレモニーがあった。村椿晃市長と高野行雄県議会議長、稗苗清吉県議、石倉彰市議会議長、浦崎惠八経田魚商協同組合長が「おいしく安全な魚は魚津の魅力。力を合わせてアピールしていきたい」などとあいさつ。油本組合長の発声で三本締めした。
■豊富な魚種に沸く 新湊
射水市の新湊漁協は同市八幡町の新湊漁港で行い、水揚げされた豊富な種類の魚介類に浜が沸いた。
新湊沖の定置網で捕れた魚が集まった。アンコウやクロダイ、ヤガラ、マダイ、ノドグロなど多彩な魚介類が並び、競り人と仲買人の威勢の良い声が響いた。
初競りに先立ち、新湊漁協の尾山春枝組合長が「事故のない一年にしたい」とあいさつ。夏野元志市長は「射水の魚をしっかりとPRしていきたい」と豊漁を願って祝辞を述べた。
川田有二新湊水産物商業連合協同組合理事長の発声で三本締めをした。
■寒ブリ大漁に期待 氷見
氷見市比美町の氷見魚市場には、今季最高の千本を超えるブランド魚「ひみ寒ぶり」が並んだ。久しぶりのまとまった水揚げに市場は沸き立った。
早朝には少なかったが、午前10時以降に七尾沖の定置網に入ったブリが多く水揚げされた。12月1日の「ひみ寒ぶり」出荷開始宣言以降の累計は1万2662本で、記録的な不漁だった前季の同日比で2倍以上となった。
ただし、ひみ寒ぶりのブランド認定が始まった11年度以降(15年度除く)の平均と比べると、年末までの水揚げは2分の1以下の水準。氷見漁協は「これまでのペースが鈍く、まだ挽回できるレベルの数字ではない。今後も厳しいのではないか」としている。
競りに先立ち、大漁祈願祭と初市式があり、森本太郎氷見漁協組合長、釣吉範氷見魚仲買商業協同組合長があいさつ。林正之氷見市長、橘慶一郎衆院議員、堂故茂参院議員が祝辞を述べ、出席者が三本締めで一年の豊漁を祈った。