木曽郡木曽町の町地域資源研究所は20日、木曽地方特産の「すんき」のおいしさに関する講演や、すんきを使った創作料理の試食といった催しを町内で開いた。住民ら約50人が参加し、失敗しないすんき作りのこつや、すんきを使った新たな料理を学んだ。
赤カブの葉や茎を乳酸発酵させて作るすんきは、霜が降りる前のカブ菜を使うとおいしくならない場合があるとされてきた。講演で同研究所の岡田早苗所長(68)は「秋の早い時期のカブ菜は糖分が足りず、乳酸が不足して発酵が途中で止まることが原因」と紹介した。
住民から持ち込まれたすんきの成分鑑定も実施。22点を調べたところ、水素イオン指数(pH)が基準(3・8〜4・2)より低いすんきは、うまみ成分であるコハク酸が少ないという結果が出た。町内で「すんき名人」と呼ばれる女性3人によるトークのほか、すんきを使ったパイやおこわ、ケーキ、ハンバーグなど50品近い創作料理の試食もあった。
同町三岳の奥牧久子さん(70)は「pHや温度管理に注意し、よりおいしいすんきを作ろうと思った」と話していた。