上田市中央4の岡崎酒造が醸造した純米吟醸「信州亀齢(きれい)山恵錦(さんけいにしき)」が、世界最大級のワイン品評会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」の日本酒部門純米吟醸酒の部で金賞を受賞した。IWC本部(ロンドン)によると、県が開発した酒米「信交酒545号(山恵錦)」を使用した日本酒では初の金賞。岡崎酒造は「上田の酒とコメ、山恵錦の評価が上がるといい」と喜んでいる。
「山恵錦」は県農業試験場(須坂市)が育種し、2017年度に県の認定品種となった。岡崎酒造が山恵錦を使ったのは今回が初めて。同市武石地域の農家から1・5トン近く買い、昨年12月に仕込みを始めた。岡崎謙一社長(45)によると、華やかな香りと程よい甘味、後味の良さを表現することを目指した。「すっきりした味になった。まだ試行錯誤の段階だが、外部の評価を受け、間違ったことはしていないと安心した」と語る。
IWC本部によると、純米吟醸酒の部には、県内からの89銘柄を含む403銘柄が出品された。4月にロンドンで審査を行い、今月上旬、信州亀齢など19銘柄の金賞などが発表された。
現在、市内の5蔵が同じ農家が育てた山恵錦で日本酒を造り、共通の「首掛け」でPRしている。「上田の酒蔵が地域の盛り上げに貢献している実感がある」と岡崎社長。
今回の受賞については「山恵錦が良い酒米であることが証明された」と喜び、上田の酒米、農家の評価が上がることを期待する。今年は山恵錦の買い付け量を2・8トンに増やす計画。山恵錦を使う酒蔵が増えてほしいとも願い「上田の酒を飲んでみたいという人が増え、地域がより一層元気になるといい」と話した。