戦国時代の武将佐々成政が、厳冬期の北アルプスを富山側から長野側に越えたとされる「さらさら越え」を再現する武者行列が1日、大町市と富山県を結ぶ立山黒部アルペンルートであった。最高地点の室堂ターミナル周辺では雪の壁に沿って歩き、勇壮な姿で観光客を盛り上げた。
ターミナル周辺では、富山と大町の双方からの武者行列が合流。さらさら越えの際、歓迎した大町の農民に成政が渡したとされる市有形文化財大姥尊(おおばそん)座像のレプリカを富山の成政が長野の成政に渡し、全員で勝ちどきを上げた。
一行は雪が積もるターミナル周辺を練り歩くなどして、本尊に座像を奉る西正院大姥堂(大町市)へ。成政が大姥堂で待つ住民に座像を手渡した。公募で成政役を務めた大阪府守口市の会社員内場大和さん(57)は「緊張したが、喜んでくれる人が多くて良かった」と笑顔だった。