福井市立郷土歴史博物館は改元を記念した企画展「儀礼の装束」を開いている。初公開の絵巻「主上御礼服(しゅじょうおんらいふく)秘図」をはじめ狩衣(かりぎぬ)、束帯など越前松平家に伝わる23点を展示している。7月10日まで。
「主上御礼服秘図」は江戸時代の天皇の即位の際の衣服「冕(べん)服」や調度品、即位の儀の流れなどが描かれている。冕服は唐風の装束で、竜などがデザインされ鮮やかな赤が印象的。天皇の礼服として、奈良~江戸の1100年以上にわたって用いられた。絵巻は歴代天皇の即位の記録として描かれ、儀礼に詳しい「有職家」が秘蔵したとされる。
このほか、松平春嶽が孝明天皇、明治天皇から拝領した狩衣や明治政府が女性の宮廷服と定めた「袿袴(けいこ)」などが目を引く。6月30日午後2時から学芸員によるギャラリートークが開かれる。
開館時間は午前9時~午後7時。観覧料は210円(中学生以下、70歳以上、障害者とその介助者は無料)。同17~19日と7月1日は休館。