水引を使った作品を展示した仲田さん

水引を使った作品を展示した仲田さん

長野県 伊那路 祭り・催し

素材としての水引の可能性 飯田の仲田さん、中川で個展

信濃毎日新聞(2019年7月27日)

 飯田市の伝統工芸「水引」を画材としてオブジェやアクセサリーを創作している芸術家仲田慎吾さん(37)=飯田市上殿岡=の個展が27日、アンフォルメル中川村美術館(中川村)で始まる。仲田さんは故郷の飯田市に移住した2016年から、水引をモザイク状に組み合わせた作品を創作し、都内のギャラリーなどで発表。県内では初めての個展で、仲田さんは「水引という素材に新しい可能性を感じてもらえればうれしい」と来場を呼び掛けている。

 50センチ四方に水引を敷き詰めた作品や、抽象的な形のオブジェなど21点を展示。白や水色の水引を65センチ四方の土台に斜めに敷き詰めた作品は、窓辺の床の間に展示し、繊細な色のグラデーションが柔らかな光沢を放っている。

 仲田さんは飯田高校を卒業後、多摩美術大、東京芸大大学院でリトグラフ(版画)を専攻。東京から移住後、身近に販売されていた水引と出合い、密集した線で表現する面白さに魅了されたという。従来の水引細工は立体的だが、仲田さんの作品は1本ずつ異なる水引の色や質感を生かし絵画のような雰囲気を醸し出している。仲田さんは「水引を使う場面は長い歴史の中で変化してきている。現代の生活や芸術に水引を新しく取り入れる人が増えていくといい」と話していた。

 9月1日まで。午前9時〜午後4時。祝日を除く月、水、金曜休み。入館料400円。期間中は高校生以下無料。

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