長野市若穂保科の「サルスベリの丘」でサルスベリの花が見頃を迎えている。20日、地権者の許可を得て小型無人機を雨模様の空に飛ばして撮影すると、ピンクや白の鮮やかな花々がしっとりと山あいを染めていた。
タバコ畑の跡地を近くの植木職人入井一人さん(69)が購入し、20年ほど前からサルスベリを植え始めた。見晴らし台や遊具も設けて自由に観賞できるようにし、現在は約1・6ヘクタールに1700本近くが植わっている。梅雨が長かった今年は見頃が例年より1週間ほど遅れ、9月20日ごろまで楽しめそうだという。
「サルスベリは人間の顔と同じように、一本一本で花の色合いが微妙に違う」と入井さん。「とても気持ちが癒やされる」とうっとりとした表情で眺めていた市内の須坂幸夫さん(70)は、7年前に亡くなった母親を連れて花見した思い出を振り返り「母が喜んで見た花が今年もきれいに咲いてうれしい」と話した。