特別本醸造の「がんばろう!上田電鉄別所線」を手にする杜氏の若林さん

特別本醸造の「がんばろう!上田電鉄別所線」を手にする杜氏の若林さん

長野県 上田・小諸 鉄道

別所線、酒で応援 上田の若林醸造が新商品

信濃毎日新聞(2019年12月12日)

 上田市中野の若林醸造は今月、台風19号で千曲川に架かる同市内の鉄橋が一部崩落した上田電鉄(上田市)別所線を応援しようと、日本酒の新商品を発売した。商品名は「がんばろう!上田電鉄別所線」。1本につき200円を同社に寄付する。杜氏(とうじ)の若林真実さん(32)=上田市中野=は「『上田は大丈夫。別所線は走っているよ』と発信したい」と話す。

 東御市産の酒米「美山錦」を使った特別本醸造。4合(720ミリリットル)で税込み1760円。上田電鉄の了承を得て、ラベルに赤い鉄橋と別所線を走る車両をデザインした。同社は2021年春ごろの全線運転再開を目指しており、若林さんは鉄橋が復旧するまで販売を続ける考えだ。

 災害が起きた10月には既に新酒の仕込みが始まっていたが、急きょ企画。定番商品の酒米の一部を原料に充てた。若林さんは「すっきりしていて飲みやすい仕上がり」とする。

 台風の影響で市内の取引先の旅館では宿泊キャンセルが相次ぎ、若林醸造の10月の売り上げは減少。飲食店に卸す量も減ったという。「別所線は生活の足であり観光資源。これまでも廃線の危機はあったが、昔からあるものは残したい」と若林さん。行楽客らを呼び戻すことにつながってほしい―とも期待する。

 市内のスーパーなどで扱う。問い合わせは若林醸造(電話0268・38・2526)へ。

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