木曽地方のバス、タクシー会社が、木曽郡と塩尻市を範囲とする「日本遺産木曽路」のロゴマーク入りのステッカーを車両に貼り、運行を始めた。住民や観光客に日本遺産をPRしようと、木曽広域連合が作って配布。東京五輪・パラリンピックが今夏に迫る中、ローマ字で「KISOJI」と記して外国人観光客へのアピールも狙う。
ステッカーはバス用が30センチ四方、普通車用が縦14センチ、横20センチ。木曽町の地域おこし協力隊員がデザインし、「木曽路をめぐる文化・伝統」の言葉を添えた。郡内6町村と塩尻市の公用車に貼ってもらう分を合わせ、約270枚を作った。
「日本遺産木曽路」は古い町並みで知られる奈良井宿(塩尻市)や妻籠宿(南木曽町)などで構成し、2016年に認定された。地元市町村の協議会が冊子などでPRしている。だが、地域には「認知度がいまひとつ」との声がある。広域連合は、地域内を回る車両から発信するのが効果的と考えた。
郡内で路線バスを運行するおんたけ交通(木曽町)は乗客の目に入るよう乗降口と、後続車両にアピールするため背面に貼った。原俊郎運行管理係長は「ステッカーを見た外国人観光客が木曽路を話題にし、訪れる人が増えればいいですね」と話していた。