野田平キャンプ場を見学する今井さん(左)と前田さん

野田平キャンプ場を見学する今井さん(左)と前田さん

長野県 伊那路 アウトドア・レジャー

達人の知恵、キャンプ場に 豊丘村、企業と協定締結

信濃毎日新聞(2020年3月31日)

 リニア中央新幹線関連工事の影響で一時休業した豊丘村の野田平キャンプ場の活性化に今春から、京都市のIT関連企業専務の今井寿人さん(50)=滋賀県守山市=らが乗り出す。アウトドアを愛好する今井さんは、交流があった村地域おこし協力隊員の紹介でキャンプ場経営を構想。村は30日、今井さんが経営する企業をキャンプ場の指定管理者とする協定を結んだ。

 キャンプ場は、リニアの伊那山地トンネル作業用坑口「坂島非常口」に近く、2017、18年度は林道改良工事のために休業。年間千人を超えていた利用者は、19年度は457人に落ち込んだ。20年度以降は工事車両の増加も見込まれることから、村は閉業も検討。同じくアウトドアを愛好する村地域おこし協力隊員の前田隆幸さん(47)から今井さんの紹介を受け、存続させる方針を決めた。

 今井さんは、日本バーベキュー協会(東京)認定の上級インストラクター資格を持ち、全日本パエリア連盟(同)理事としても活動。これまでバーベキューやパエリアを調理する腕前を競う海外の大会にも出場し、キャンプ場の開業後は地元農産物を生かした食の催しに力を入れたい考えだ。野外活動を通じて人材を育てる企業研修の受け入れなども構想している。

 今井さんは「農業や炭焼きの技術がある村の人も多く、交流を通じて都市部の人が遊びながら学ぶキャンプ場をつくりたい」。下平喜隆村長は協定の調印式で「都市部の人に心や体を癒やしてもらう場として活用してもらい、村の関係人口づくりにつなげたい」と期待していた。

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