櫂(かい)を力強く動かして舟を操る南島さん

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「天竜舟下り」で独り立ち 南島さん船頭「艫乗り」デビュー

信濃毎日新聞(2020年4月2日)

 信南交通(飯田市)が運営する川下り船の運航を担う「天竜舟下り」でこの春、舟の進行方向を決める船頭「艫(とも)乗り」として南島純さん(38)がデビューした。艫乗りだった父・芳和さん(69)の影響も受け、10年経験を積んだ。南島さんは「独り立ちしてからが本番。操船がうまくなるようにこれからも謙虚に頑張りたい」と気を引き締めた。

 「天竜舟下り」の艫乗りは9人で、新人の誕生は6年ぶり。川辺の竹のしなり具合で風向きを確認したり、川に立つ波を見たりして進行方向を決めるという。南島さんは身長160センチと小柄だが、舟の後部で重さ約15キロ、長さ約4メートルの櫂(かい)を全身で動かし導く。

 25歳の頃、芳和さんの働く別の川下り会社でアルバイトを始め、船頭に興味を持った。正社員として働くために「天竜舟下り」へ。舟の先端に乗り、櫂でスピードを付ける「舳(へ)乗り」として経験を積んだ。

 危険と隣り合わせの職場で、さらに重要な役割を担う艫乗りは「あまりなりたくなかった」という南島さん。それでも、「これまで嫌なことから逃げてきた自分が変われるのではないか」と決心した。芳和さんに助言を求め、先輩の船頭や職場の仲間に支えられながら特訓を重ね、社内の試験で合格した。

 「艫乗りになれたことがうれしくて、はしゃいでいたら先輩船頭から怒られた」と南島さん。「艫乗りはハンドルの役目。お客さんが(事故で)悲しい思いをすることがないよう責任を持ちたい」と力強く語った。芳和さんは「同じ道を選んでくれてうれしい」と見守っている。

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