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長野県内山小屋17軒、今夏休業 「3密」回避困難

信濃毎日新聞(2020年5月29日)

 北、中央、南の三つのアルプスと八ケ岳で、県内や県境付近の登山道上にある山小屋91軒のうち2割近い17軒が、新型コロナウイルス感染症の影響で今夏は営業しない方針であることが28日、信濃毎日新聞の調べで分かった。さらに11軒が営業するかどうか「未定」としている。営業しない山小屋は、厳しい自然条件の中にある施設で消毒の徹底や「3密」(密閉、密集、密接)を避ける対策が難しいことや、受け入れ人数を制限する対応をすれば採算が合わないことなどを理由に挙げている。

 小屋が狭いため「3密」回避が難しく、「登山客や従業員の安全を確保できない」。中アの山小屋関係者はそう話した。感染防止のため宿泊客を制限すれば、収益の悪化は避けられない。北アの小屋経営者は「営業期間が限られ、とても採算が取れない」と漏らす。

 一方、宿泊を含めて営業するとしたのは7割近い62軒。他に1軒は売店やテント場のみ営業するとしている。

 感染防止対策の難しさについて全山小屋に複数回答で聞いたところ、「水や物資が限られている」を挙げた小屋が最多の53軒(全体の58%)。「予約のない登山者を断れず、受け入れ人数の制限が難しい」としたのは50軒(同55%)。ある経営者は「3千メートル級の山でずぶぬれになった登山者を、予約がないからといって断れない」と話す。

 また、人との距離を保つことが感染防止に有効とされる中、「部屋を区切りにくい」とした小屋も41軒(同45%)あった。「毎日シーツなどの洗濯ができない山小屋で、街中と同様の対策は難しい」との声が多く聞かれた。

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