疫病退散の願いを込めて江戸時代の瓦版に描かれた妖怪「アマビエ」をかたどった水引細工のストラップが、豊丘村の道の駅「南信州とよおかマルシェ」で販売され、人気を集めている。飯田市の田中宗吉商店が5月、新型コロナウイルス感染症の早期終息を願って発売。カプセル玩具販売機で売り出し、品切れが相次ぐ好評ぶりだ。
アマビエのカプセルは、1個500円。毛や胴体を水引の代表的な結び方「あわじ結び」で再現した。ピンク、青、緑、紫の4色ある。販売機からどの色が出るかは分からない仕組みだ。
同社は自粛期間中に自宅で作ってもらおうと、アマビエの水引細工を作るキットと本体をインターネットで発売。同社の商品を扱う道の駅から「利用者の気持ちが明るくなる商品を」と相談を受け、商品化した。
同社4代目の田中康弘社長(63)は「売れ行きに正直驚いた。誰もが新型コロナの終息を願っている気持ちの表れだと思う」。道の駅の岡田敬支配人(51)は「かばんなどに付け、観光を楽しんでもらえるといい」と話している。