ワイン大手のシャトー・メルシャン(東京)は12日、上田市長瀬にあるワイン醸造所「シャトー・メルシャン椀子(まりこ)ワイナリー」で今季の醸造が本格化するのを前に「仕込み式」を開いた。神事で上質な仕上がりや従業員の安全を祈願。従業員が収穫したばかりの白ワイン用のシャルドネ約1700キロを圧搾機に入れた。
搾った果汁はたるで発酵させ、醸造期間が短い「新酒」として約千本を10月24日からワイナリーで販売する予定。醸造に向けた作業は、白ワイン用は今月下旬まで、赤ワイン用は10月下旬ごろまで続くという。
ワイナリー長の小林弘憲さん(46)は、長く続いた梅雨により生育の遅れを心配したが、「8月に雨が降らず、糖度や酸度がちょうどいいブドウになった。爽やかな新酒ができると思う」。同社の安蔵(あんぞう)光弘ゼネラルマネージャー(52)は「地元の皆さんに味わってもらえる良いワインにしたい」と話していた。
ワイナリーがある同社の自社管理畑「椀子ヴィンヤード」は約30ヘクタールで8種類のワイン用ブドウを育てている。