「にいがた酒の陣」のラベルや首掛け付きの限定酒が並ぶ売り場=新潟駅の「ぽんしゅ館」

「にいがた酒の陣」のラベルや首掛け付きの限定酒が並ぶ売り場=新潟駅の「ぽんしゅ館」

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「にいがた酒の陣」忘れないで 新潟県内酒蔵が限定酒販売

新潟日報(2021年3月8日)

 新潟市で開催されてきた日本酒飲み比べイベント「にいがた酒の陣」が新型コロナウイルス禍により2年連続で中止されたことを受け、県内の酒造会社が「マイ酒の陣」のラベル付きの限定酒を3月末まで販売している。イベント期間に合わせ、「宅飲み」で酒の陣の気分を味わってもらい、県産酒のファン拡大につなげる狙いだ。卸各社も限定セットを用意。関係者は「特別な1本で"陣中"の楽しさを思い出してほしい」としている。

 にいがた酒の陣は県内80以上の酒蔵が参加し、約500種類の日本酒が試飲できる国内最大級のイベント。近年は2日間で14万人以上が来場する一大イベントとなっていた。酒造各社にとっては新商品をお披露目したり、プレミアム酒をPRしたりできる場でもあった。

 昨年は開催まで1カ月を切った段階で急きょ中止が決まり、イベントのために用意した大量の酒を自宅用に販売する「おうちで酒の陣」の取り組みが酒造や酒販店の間で広まった。

 今春の開催は昨年10月に中止が決まった。しかし、県酒造組合などでつくる「にいがた酒の陣実行委員会」が中心となって呼び掛け、賛同する約40蔵が2~3月限定で「酒の陣」のラベルや首掛けポップ(チラシ)を付けた限定酒を出荷することになった。

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 限定ラベルは酒の陣の公式ロゴと「お次はみんなで乾杯しましょ」のメッセージが目印。実行委では会場での一体感を思い出してもらおうと、SNSでハッシュタグ「#マイ酒の陣」を付けて感想の投稿も呼び掛けている。

 限定酒は各参加蔵の通販や取引のある酒販店で販売中。新潟駅内の「ぽんしゅ館日本酒本館」では昨年に続きコーナーを設け、要冷蔵酒も含め計12~13種を扱う。宴席は自粛中という県外ビジネス客からも「せっかくだから土産に」と需要があるという。

 「近頃は外食自粛の反動で、自宅用には高めのお酒が人気。純米大吟醸などの高級なお酒が昨年より多くなっている」と売り場担当の小林裕二さん。すでに売り切れた銘柄もあるが、「これから新しく入ってくるものもある。楽しみにしてほしい」とする。

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 こうした動きに卸各社も連動する。県酒販(新潟市東区)は、県内30酒蔵のカップ酒30種を集めた「にいがた地酒カップ30本セット」を2月下旬に発売した。酒の陣の醍醐味(だいごみ)でもある「飲み比べ」に焦点を当てつつ、近年、カップ酒のレトロ感が若年層の人気を集めていることを考慮して企画した。

 「上中下越、佐渡の酒が入っている。多様な新潟の酒を味わってほしい」と県酒販。珍味3種入りで8200円(送料別)。申し込みは17日までに県酒販、025(275)3181。

 また、新潟酒販(同市西区)でも2月下旬に県産カップ酒5種セットを発売。2千セット限定。希望小売価格1390円(税別)。

 にいがた酒の陣実行委の齋藤俊太郎委員長=麒麟山酒造社長=は「せっかく定着してきた『3月は新潟のお酒を楽しむ』という流れを途切れさせたくなかった。自宅でお祭りの気分を楽しんでもらいたい」と話す。酒の陣について、実行委では夏以降別の形での実施を検討中という。

詳細情報

リンク
新潟県酒類販売株式会社 http://www.ni-kenshuhan.co.jp/
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