新潟県十日町市の松之山温泉が、2020年度「温泉総選挙」の環境大臣賞に選ばれた。地域一丸となった活性化や、源泉を利用した地熱バイナリー発電事業が評価された。新型コロナウイルス感染拡大で閉塞(へいそく)感が漂う中での明るいニュースが温泉地を盛り上げている。
温泉総選挙は5省庁が後援する実行委員会方式で行われている。温泉地の魅力をPRし活性化につなげることなどが目的。20年度は全国156の温泉地がエントリー。環境大臣賞など後援省庁が選考する省庁賞4賞と、実行委員会の特別賞7賞がある。受賞は9日に発表された。
松之山温泉では、旅館や飲食店でつくる合同会社まんまを中心に、美人林を会場にした野外レストランなどを企画。温泉熱で低温調理した名物「湯治豚」の提供やバイナリー発電事業といった独自の取り組みも行われている。
こうした地域が一体となった活動や温泉の有効活用が環境大臣賞受賞につながった。特に、地域で会社を立ち上げて東京都世田谷区に再生可能エネルギーを供給するバイナリー発電事業は高く評価された。
温泉総選挙は、サイトでの一般投票による9部門のランキングも実施、薬湯として知られる松之山温泉は「うる肌部門」で3位に入った。
まんまの柳一成代表は「まんまが地域のプラットホームとなって活動してきた。取り組みが評価されて、うれしく思う。これを機に、松之山温泉の魅力を、さらにアピールしていきたい」と意欲を語った。