伊那市山寺区に伝わる「やきもち踊り」(県選択無形民俗文化財)が18日、地元の白山社・八幡社合殿で奉納された。昨年は新型コロナの影響で中止し、2年ぶり。踊りの後に最後まで境内に残ると「厄を持つ」とされ、紋付きはかま姿の踊り手、歌い手20人は踊りが終わると一目散に鳥居をくぐり、逃げ出した。
保存会によると、伊勢参りに行った人たちが持ち帰ったのが始まりとされ、1782(天明2)年の記録が残っている。氏子たちは輪になり、歌のリズムに身を任せながら、足を高く上げて手をたたくユーモラスな踊りを披露。保存会の柴満喜夫会長(76)は境内から出るのが最後になり、「年にはかなわないね」。
今年は新型コロナ対策で女子児童による「浦安の舞」を取りやめ、合間の酒盛りも回数を減らした。疫病を払うのが祭りの目的とあって、柴さんは「開催できてよかった。新型コロナの一日も早い収束を願って奉納した」と話していた。