佐久地域の六つの酒蔵でつくる「佐久SAKEAging(エイジング)研究会」が26日、各蔵の日本酒を県営余地(よじ)ダム(佐久穂町)の管理用通路に運び入れた。8月末に運び出し、程よく熟成した「ダム熟」の酒として9月から販売する予定だ。
通路の気温は年間を通じて10度前後に安定し、日本酒の貯蔵に適しているという。佐久穂町がこの空間に着目し、県や研究会代表の黒沢酒造(同町)に提案して取り組みが始まった。3年目の今年は、5蔵が純米大吟醸など約3200本を搬入した。
黒沢酒造社長の黒沢孝夫さん(46)は「観光資源でもあるダムで貯蔵することで付加価値を高めたい」。ダム熟の日本酒は「味がまろやか」と好評だといい、千曲錦酒造(佐久市)の井出貴博さん(41)は「蔵による味の違いも飲み比べてほしい」と、4カ月後を楽しみにしている。