青空に浮上する熱気球。会場は無観客だったが、近くで見守る姿もあった=3日午前6時37分、佐久市鳴瀬(魚眼レンズ使用、秂弘樹撮影)

青空に浮上する熱気球。会場は無観客だったが、近くで見守る姿もあった=3日午前6時37分、佐久市鳴瀬(魚眼レンズ使用、秂弘樹撮影)

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熱気球祭典 こぎ着けた 知恵絞り「無観客」 佐久で2年ぶり

信濃毎日新聞(2021年5月4日)

 全国から熱気球が集まる「佐久バルーンフェスティバル2021」が3日、佐久市で3日間の日程で始まった。新型コロナウイルス感染拡大で昨年は中止しており、開催は2年ぶり。今年は関連イベントを行わない「無観客」とし、参加33チームの選手やスタッフら計約250人の抗原検査をして開催にこぎ着けた。

 「ゴー」。気球を暖めるバーナーの音が響く。午前6時半、最初の気球が千曲川スポーツ交流広場をゆっくりと離陸した。「何とか大会が形になって良かった」。主催する組織委員会の事務局を担う市職員、大日方洸(ひかる)さん(28)はほっとした表情を見せた。

 広場は2019年10月、台風19号災害で地面がえぐれるなどの被害が出た。昨年のフェスは、災害からの「復興」をテーマに開く予定だった。しかし、新型コロナの感染が拡大。例年20万~30万人が全国から訪れることを踏まえ、やむなく中止を判断した。

 「どうすれば開催できるか」。この1年、関係者は知恵を絞った。各地の熱気球が集まり、操縦技術などを競うツアー戦は、他に全国4カ所で実施。無観客で開いた所、観客を入れた所の双方から話を聞いた。最終的に「競技優先」と決め、飲食ブースを設けずステージの催しもやめた。

 多くの人に見に来てもらえない分、発信を工夫する。会場から離れた市内5カ所の「観戦おすすめスポット」をホームページで紹介し、競技の様子を会員制交流サイト(SNS)でライブ配信。スポットの一つ、同市中込の「さくラさく小径(こみち)」では市内の小学1年、佐藤あかりさん(6)と妹のひまりちゃん(3)が「(バーナーの)音がびっくりするぐらい大きかった。風船みたい」とはしゃいだ。

 「今年の国内ツアー戦の皮切りとなる大会が開催できたことはありがたい」。副島弘壮(ひろもり)競技委員長(40)=佐賀県=は喜びつつ「大会後に感染者がいないと確認できるまで、気は抜けない」と表情を引き締めた。(中島瑞穂)

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